ハワイの耳飾り
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ハワイの耳飾り
ハワイの耳飾り (ハワイのみみかざり、ハワイの耳輪とも、hawaiian earring)とは、反例としてとて重要な位相空間である。
定義
下で定義される $H\subset \mathbb{R}^2$ に相対位相を入れたものをハワイの耳飾りと呼ぶ。 $$H\colon=\bigcup_{n \in \mathbb{N} } \left\{ (x,y) \in {\mathbb{R}}^2\mid \left(x- \frac{1}{n}\right)^2+y^2=\left(\frac{1}{n}\right)^2 \right\}$$
入れ子状になった円周が原点のみを共有しているような位相空間である。
位相的性質
- 可縮でも局所可縮でもない。しかし局所弧状連結であり局所連結である。
- 局所単連結ではなく半局所単連結でもない。
- ハワイの耳飾りの錐は(錐であるから)可縮で単連結であるから半局所単連結であるが、局所単連結ではない。
- 可算無限個のループからなる$\omega$-ブーケと直感的に同相であるように見えるが実際には同相ではない。 $\omega$-ブーケはCW複体であり局所可縮であることからもわかる。これら二つはホモロジー群や基本群も異なる。具体的には $\omega$-ブーケにおいては全てのループを通るような道は存在しないがハワイの耳飾りにおいてはだんだん道を内側に入れて小さくしていくことによって全てのループを通るような道が存在してしまう。これによりハワイの耳飾より $\omega$-ブーケの方が 基本群、一次ホモロジー群が"大きく"なる。