擬コンパクト空間
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擬コンパクト(ぎコンパクト)とは、位相空間について定まるコンパクト性の類似性質のひとつである。
定義
位相空間 $X$ が擬コンパクトであるとは、任意の連続関数 $f \colon X \to \mathbb{R}$ が有界であることをいう。
基本性質
以下基本的に位相空間は $T_1$ であるとする。
- $X$ が可算コンパクトならば擬コンパクトである。
$f\colon X \to \mathbb{R}$ なる連続関数について、$f(X)$ は第二可算かつ可算コンパクトゆえにコンパクトとなり、よってこれは有界である。
- 正規空間において擬コンパクト性と可算コンパクト性は同値である。
可算コンパクトでない空間 $X$ について、$\mathbb{N}$ と同相な閉部分空間をとることができる。このとき、正規性より Tietze の拡張定理を用いれば、$X$ 上の非有界な連続関数を構成できる。