Regular category
$\newcommand{\ordpair}[1]{ \langle #1 \rangle }$ $\newcommand{\map}[3]{ #1 \colon #2 \rightarrow #3 }$ $\newcommand{\cat}{\mathcal{C}}$ $\newcommand{\RegEpi}[1]{ \mathsf{RegEpi}(#1) }$ $\newcommand{\Mono}[1]{ \mathsf{Mono}(#1) }$
$\newcommand{\Setcat}{\mathsf{Set}}$
以下は以前の版で用いていた図式です: [math] \begin{xy} \xymatrix { d\times_c d \ar[d]^{p_1} \ar[r]_{p_2} & d \ar[d]_f \\ d \ar[r]^f & c } \end{xy} [/math]
概要
正則圏(Regular Category)とは核対を持ち、かつ核対のコイコライザーを持つような圏であって、正則エピ射の引き戻しが再び正則エピ射であるものをいう。 圏 $\cat$ の射 $f$ について、$f$ の核対のコイコライザーを像という。この用語法を用いれば、前二つの条件は任意の射が像を持つような圏といいかえられる。 更に正則エピ射が引き戻しで閉じていることを用いると、像の持つホモロジー代数的な性質の幾つかを示すことができる。 この意味で正則圏はアーベル圏の非加法的な場合への一般化の一つと見做すことができ、実際、集合の為す圏 $\Setcat$ のような非アーベル(より強く非前加法的)な圏も含む概念であることに注意されたい。
定義
定義 1 (正則圏の定義)
圏 $\cat$ が 正則圏(Regular Category)であるとは、以下の条件を満たすことをいう。
- $\cat$ の任意の射 $f$ は核対を持つ。
- $\cat$ の任意の核対 $\ordpair{X , a, b }$ は余極限を持つ。即ち、任意の射 $\map{f}{C}{D}$ に対する引き戻し図式
\begin{xy} \xymatrix { X \ar[d]^{a} \ar[r]_{b} & D \ar[d]_f \\ D \ar[r]^f & C } \end{xy}
について、$a$ と $b$ についてのコイコライザが存在する。
- regular epimorphismの引き戻しはregular epimorphismである。
基本性質
命題 2 (正則エピ-モノ分解の存在)
$\cat$ を正則圏とする。このとき正則エピ射全体 $\RegEpi{\cat}$ およびモノ射全体 $\Mono{\cat}$ に関して次が成立する。
- $\cat$ の任意の射 $f$ について、$\cat$ の正則エピ射 $p$ およびモノ射 $i$ であって $f=i \circ p$ を満たすものが存在する。
関連項目
Regular category/Regular categoryの例