3次の対称群

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$3$次の対称群

3次の対称群 $S_3$ は、位数6の有限群である。この二面体群 $D_6$ や一般線形群 $GL_2(2)$ と同型である。このページではこれらについて述べる。

同型な群

以下の群は同型である。

$S_3 \simeq D_6$

$S_3$ の位数は $3!=6$ である。 $(\begin{matrix}1&2\end{matrix}),(\begin{matrix}1&3\end{matrix})\in S_3$について、 $$(\begin{matrix}1&2\end{matrix})(\begin{matrix}1&3\end{matrix})=(\begin{matrix}1&3&2\end{matrix})$$ $$(\begin{matrix}1&3\end{matrix})(\begin{matrix}1&2\end{matrix})=(\begin{matrix}1&2&3\end{matrix})$$ より、$S_3$ は非アーベル群である。位数6の非アーベル群は同型の違いを除いて二面体群に限られるから、$S_3 \simeq D_6$ である。

$D_6 \simeq GL_2(2)$

$GL_2(2)$ の位数は $(2^2-1)(2^2-2)=6$ である。 $\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix},\begin{pmatrix}1&0\\1&1\end{pmatrix}\in GL_2(2)$について、 $$\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&0\\1&1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}0&1\\1&1\end{pmatrix}$$ $$\begin{pmatrix}1&0\\1&1\end{pmatrix}\begin{pmatrix}1&1\\0&1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}1&1\\1&0\end{pmatrix}$$ より、$GL_2(2)$ は非アーベル群である。位数6の非アーベル群は同型の違いを除いて二面体群に限られるから、$GL_2(2) \simeq D_6$ である。

$GL_2(2) \simeq SL_2(2) \simeq PGL_2(2) \simeq PSL_2(2)$

$\mathbb{F}_2^\times=\{1\}$より、任意の $A\in GL_2(2)$ について $\det A=1$ となるので成り立つ。

データ

|表示|$G=\langle a,x\vert a^3=x^2=e, xax=a^2\rangle$| |要素|$e,a,a^2,x,ax,a^2x$| |位数|6| |元の最大位数|3| |アーベル群|いいえ| |巡回群|いいえ| |単純群|いいえ| |可解群|はい| |冪零群|いいえ| |部分群|$\{e\},\{e,a,a^2\},\{e,x\},\{e,ax\},\{e,a^2x\},G$| |正規部分群|$\{e\},\{e,a,a^2\},G$| |特性部分群|$\{e\},\{e,a,a^2\},G$| |中心|$\{e\}$| |中心の構造|$C_1$| |導来部分群|$\{e,a,a^2\}$| |導来部分群の構造|$C_3$| |Frattini部分群|$\{e\}$| |Frattini部分群の構造|$C_1$| |自己同型群の構造|$S_3$|

関連項目