逆元
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逆元
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定義
$\langle M, \cdot \rangle$を単位的マグマとし、$e$を$M$の単位元とする。
$a \in M$に対し$x \in M$が
- $ x \cdot a = e $
を満たすとき、$x$を$a$の左逆元と呼ぶ。
$a \in M$に対し$x \in M$が
- $ a \cdot x = e $
を満たすとき、$x$を$a$の右逆元と呼ぶ。
$x$が$a$の左逆元かつ右逆元であるとき、$x$は$a$の逆元であるという。~ 逆元を持つ元を可逆元という。
表記
後述のようにモノイドにおいては元$a$の逆元が存在すればそれは一意であるから、それを$a^{-1}$と書く。
モノイドが加法的な場合、$a$の逆元を$-a$と書くこともある。この場合、$+(-a)$を$-a$と書く。
重要な定理
定理1
モノイド$\langle M, \cdot, 1 \rangle$の元$a$が左逆元$x_L$と右逆元$x_R$を持つとき、$x_L=x_R$
Proof.
- $x_L \cdot a \cdot x_R=(x_L \cdot a) \cdot x_R=x_R$~
$x_L \cdot a \cdot x_R=x_L \cdot (a \cdot x_R)=x_L$ <したがって、$x_L=x_R$
□定理2(唯一性)
モノイド$\langle M, \cdot, 1 \rangle$の各元は高々1個の逆元しか持たない。
証明
$x_1,x_2 \in M$を$a \in M$の逆元とする。定理1より、$x_1=x_2$
定理3(逆元の逆元)
$\langle M, \cdot, 1 \rangle$をモノイドとする。任意の$a \in M$について、$(a^{-1})^{-1}=a$
証明
逆元の定義より
- $a \cdot a^{-1} = a^{-1} \cdot a = 1$
<が成り立つ。したがって$a$は$a^{-1}$の逆元である。