逆元

提供: Mathpedia

逆元

工事中

定義

$\langle M, \cdot \rangle$を単位的マグマとし、$e$を$M$の単位元とする。

$a \in M$に対し$x \in M$が

$ x \cdot a = e $

を満たすとき、$x$を$a$の左逆元と呼ぶ。

$a \in M$に対し$x \in M$が

$ a \cdot x = e $

を満たすとき、$x$を$a$の右逆元と呼ぶ。

$x$が$a$の左逆元かつ右逆元であるとき、$x$は$a$の逆元であるという。~ 逆元を持つ元を可逆元という。

表記

後述のようにモノイドにおいては元$a$の逆元が存在すればそれは一意であるから、それを$a^{-1}$と書く。

モノイドが加法的な場合、$a$の逆元を$-a$と書くこともある。この場合、$+(-a)$を$-a$と書く。

重要な定理

定理1

モノイド$\langle M, \cdot, 1 \rangle$の元$a$が左逆元$x_L$と右逆元$x_R$を持つとき、$x_L=x_R$

Proof.

$x_L \cdot a \cdot x_R=(x_L \cdot a) \cdot x_R=x_R$~

$x_L \cdot a \cdot x_R=x_L \cdot (a \cdot x_R)=x_L$ <したがって、$x_L=x_R$

定理2(唯一性)

モノイド$\langle M, \cdot, 1 \rangle$の各元は高々1個の逆元しか持たない。

証明

$x_1,x_2 \in M$を$a \in M$の逆元とする。定理1より、$x_1=x_2$

定理3(逆元の逆元)

$\langle M, \cdot, 1 \rangle$をモノイドとする。任意の$a \in M$について、$(a^{-1})^{-1}=a$

証明

逆元の定義より

$a \cdot a^{-1} = a^{-1} \cdot a = 1$

<が成り立つ。したがって$a$は$a^{-1}$の逆元である。

関連項目