第一可算空間

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第一可算空間

位相空間 $X$ が第一可算空間であるとは、$X$ の任意の点 $x\in X$ に対し、$x$ の基本近傍系として可算なものが取れることを言う。第一可算空間においては、多くの概念が点列によって記述できる。例えば、第一可算空間の点 $x$ と部分集合 $E$ に対し、$x\in \overline{E}$ であることと、$x$ に収束する $E$ の点列が存在することは同値である。また、第一可算空間 $X$ から(一般の)位相空間 $Y$ への写像 $f: X\rightarrow Y$ に対し、$f$ が連続であることは、$f$ が $X$ の任意の収束列を $Y$ の収束列に写すことと同値である。 そして第一可算空間 $X$ がコンパクトであるならば、$X$ は点列コンパクトである。(逆は必ずしも成り立たない。)

$X$ が第一可算であることは、$X$ の character が $\aleph_0$ であることと同値である。

性質

閉集合の上昇列についての合併

第一可算空間 $X$ について、その閉集合の上昇列であって長さ $\omega_1$ のものをとる。これを $\{A_\alpha\}_{\alpha \in \omega_1}$ と表記する。このとき、$\bigcup A_\alpha$ は閉集合となる。実際、$x \in \overline{\bigcup A_\alpha}$ について、$x$ の近傍系 $U_1 \supset U_2 \supset \ldots$ を任意にとると、$x_n \in U_n \cap \bigcup A_\alpha$ なる点が存在する。このとき、$x_n$ を含むような $A_\alpha$ についてその添え字の番号を $\alpha_n$ とおくと、任意の $\alpha_n$ よりも大きい $\alpha$ について、$A_\alpha$ は自然数 $n$ に対して $x_n$ をすべて含む。$A_\alpha$ は閉集合であるため、$x \in A_\alpha$ が成り立つ。したがって $\bigcup A_\alpha$ は閉集合となる。

補足

以上の議論は、$\omega_1$ という順序数共終数が $\aleph_0$ より真に大きかったことに由来する($\alpha_n$ より大きい $\alpha$ をとる部分)。すなわち、$\omega_2$, $\omega_3$, もしくは $\omega_{\omega_1}$ といった順序数に取り換えても同様の議論が進む。しかし $\omega_\omega$ は共終数が $\aleph_0$ であるため上記の議論は回らない。

関連項目