Chevalleyの定理

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Chevalleyの定理とは、(ある有限性を持つ)スキームの射の像が構成可能集合であることを主張するスキーム論の定理である。

Noetherian version

定理 1 (Noetherスキームに関するChevalleyの定理)

$X$, $Y$ をNoetherスキームとし、$f \colon X \to Y$ を有限型射とする。このとき、$X$ の構成可能集合の $f$ による像は $Y$ の構成可能集合となる。

証明

帰着ステップ: $X$ の局所閉集合の像が構成可能集合であることを示せばよい。さらにこれは $X$ を閉部分スキーム、開部分スキームに適切に制限することで、$X$ の像が構成可能集合であることを示す問題に帰着される。さらには、$Y$ をアフィン開集合に制限し、また $X$ をアフィン開集合に制限することでアフィンスキームの射の問題に帰着される。また $Y$ の既約成分、$X$ の既約成分にそれぞれ制限していくことでいずれも既約スキームであるとしてよい。さらに被約化をおこなっても位相空間の射のレベルには影響をおよぼすことはないため、$X$, $Y$ いずれも被約であるとしてよい。さらに $Y$ を適切に閉部分スキームに制限することで、$f$ はdominant(像が稠密)であるとしてよい。$X$, $Y$ についてそれぞれ $\mathrm{Spec}(B)$, $\mathrm{Spec}(A)$ と同型であるとすると、誘導される環の射 $A\to B$ は、単射かつ有限型であり、$A$, $B$ は整域である。さらに、$B$ は $A$ 上有限型であったが、射分解によって $B$ は $A$ 上単一の元で生成されるとしてよい(簡単のための帰着を行っている)。また、 $\mathrm{Spec}(A)$ はNoether空間であるため、閉集合 $F$ であって、$f^{-1}(V)$ が構成可能集合にならないようなものが存在すれば、そのようなもののなかで極小なものをとることができる(Noether帰納法)。$\mathrm{Spec}(A)$ をこのような $F$ に取り換えると、$f$ の像に非空な開集合がとれたならば $F$ の極小性に反する。したがって以下を示せばよい:

  • 整域 $A$ と整域 $B \cong A[x]/f(x)$ について、射 $\mathrm{Spec}(B) \to \mathrm{Spec}(A)$ の像は非空な開集合を含む。
可換環論ステップ: $f(x) = 0$ の場合は明らかに $f$ は全射である。$f(x) \neq 0$ である場合、$f$ の最高次の係数を $a$ とおくと、$A_a \to B_a \cong A_a[x]/f(x)$ は整拡大であるため、$\mathrm{Spec}(B_a) \to \mathrm{Spec}(A_a)$ は全射となる。よって $f$ の像は開集合 $D(a)$ を含む。よって定理は示された。

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関連項目