21952
$21952$
$21952=2^6 7^3$ が成り立つ。
余談
以下の事実を認める。
事実 1 (Sylow部分群の交叉と個数)
有限群 $G$ と相異なる $G$ の $p$-Sylow部分群 $S$, $T$ であって最も $S\cap T$ の濃度が大きくなるものについて、$n_p(G) \equiv 1 (\mathrm{mod} |S:S\cap T|)$ が成り立つ。
事実 2 (最小素指数部分群は正規)
有限群 $G$ と、$|G|$ を割り切る最小の素数 $p$ について、$|G:H|=p$ なる $G$ の部分群 $H$ は $G$ の正規部分群である。
定理 3 (位数 $21952$ の群の非単純性)
証明
Sylowの定理より、$7$-Sylow部分群の個数 $n_7(G)$ は $1$ または $8$ または $64$ である。このとき、$n_7(G)=1$ の場合は $7$-Sylow部分群は正規部分群となるため、$G$ は単純群ではない。
$n_7(G)\neq 1$ の場合、事実 1 より、相異なる $7$-Sylow部分群 $S$, $T$ であって $S\cap T=7^2$ なるものが存在する。事実 2 より $S\cap T$ は $S$, $T$ のそれぞれの正規部分群となるため、$S\cap T$ を正規部分群とする最大の $G$ の部分群 $N_G(S\cap T)=\{g \in G| g^{-1}(S\cap T)g = S\cap T\}$ は $S$, $T$ を含む。よって $n_7(N_G(S\cap T))$ は $2$ 以上であるため、Sylowの定理より $8$ 以上となる。
このとき $H=N_G(S\cap T)$ とおくと、$|G:H|\leq 2^3$ が成り立つ。ここで、$G$ の右 $H$-cosetの集合 $X$ に対し、次のような $G$-作用を与える。
- $(Hx)\cdot g=H(xg)$
この定理は、Burnsideの定理の具体例としても示されるが、本記事においては $21952$ のケースについての特殊な証明を行った。
更なる余談
OEIS (The On-line Encyclopedio of Integer Sequences) には、完全数を三乗した数を並べた数列が提示されている。https://oeis.org/A133052 を参照されたい。
参考文献
- I. Martin Isaacs, "Finite Group Theory", 2008