有限アーベル群の基本定理
提供: Mathpedia
有限アーベル群の基本定理
有限アーベル群の基本定理(ゆうげんアーベルぐんのきほんていり、fundamental theorem of finite abelian group)または有限アーベル群の構造定理(ゆうげんアーベルぐんのこうぞうていり、structure theorem of finite abelian group)とは、有限アーベル群の構造が巡回群の直積として本質的に一意に書けると主張する定理である。
主張
$G$ を有限アーベル群とする。このとき、自然数の列 $k_1 \geq k_2 \geq \cdots \geq k_r$ が一意に存在して、次を満たす。
- $G \simeq C_{k_1} \times C_{k_2} \times \cdots \times C_{k_r}$
- 各 $i(1\leq i <r)$ について、 $k_{i+1}$ は $k_1$ を割り切る。
ただし、 $C_n$ は位数 $n$ の巡回群を表す。
同値な主張
$G$ を有限アーベル群とする。このとき、自然数の列 $q_1 \geq q_2 \geq \cdots \geq q_r$ が一意に存在して、次を満たす。
- $G \simeq C_{q_1} \times C_{q_2} \times \cdots \times C_{q_r}$
- 各 $q_1, q_2, \ldots, q_r$ は素数冪。