多様体入門100本ノック

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この記事は多様体論の基本的な内容の理解を確認するための100個の問題とその答えです。 あくまで入門レベルの問題集です。

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局所座標

Q.1-1 多様体の定義、微分構造

次の文の①、②、③、④、⑤に当てはまるものを選べ。

$n$ 次元 $C^k$ 級微分多様体とは、以下の3つの条件を満たすパラコンパクトハウスドルフ位相空間 $M$ のことである。

(1)$M=\bigcup_{\alpha\in\Lambda}U_\alpha$ となる開被覆 $\{U_\alpha\}_{\alpha\in\Lambda}$ がある。

(2)各 $U_\alpha$ に対して、① $\varphi_\alpha:U_\alpha\rightarrow \mathbb{R}^n$ がある。

(3)$U_{\alpha\beta}:=U_\alpha\cap U_\beta\ne\phi$ となる $U_\alpha,U_\beta$ に対して、② $ \varphi_\alpha\circ\varphi_\beta^{-1}:\varphi_\beta(U_{\alpha\beta})\rightarrow\varphi_\alpha(U_{\alpha\beta})$ がある。

このとき、各 $\alpha\in\Lambda$ に対して、組 $(U_\alpha,\varphi_\alpha)$ を③という。 また $\{(U_\alpha,\varphi_\alpha)\}_{\alpha\in\Lambda}$ を④と呼び、これは $ M$ に⑤を定める。

①  A. 中への同相写像  B. 中への $C^k$ 級微分同相写像

②  A. 同相写像  B. $C^k$ 級微分同相写像

③  A. チャート  B. アトラス

④  A. チャート  B. アトラス

⑤  A. $C^k$ 級微分構造  B. 解析構造

答え

①A ②B ③A ④B ⑤A

Q.1-2座標変換

局所座標を $(U,\{x^1,\cdots,x^n\})$ とし、滑らかな変数変換を $$ y^i=f^i(x^1,\cdots,x^n),\ (1\le i\le n) $$ とする。 このとき $\{y^i\}$ が近傍 $U$ 上で局所座標系を定めるための条件は何か。

答え

$U$ 上でヤコビアン $J(\frac{\partial f}{\partial x})$ が0でないこと。

Q.1-3座標特異点

$\mathbb{R}^2$ の標準的な直交座標系を $\{x,y\}$ とし、この座標系により $\mathbb{R}^2$ を滑らかな多様体と見なす。 $\mathbb{R}^2$ 上で変数変換 $$ \begin{align} x&=r\cos\theta,\\ y&=r\sin\theta, \end{align} $$ を考える。 関数 $r,\theta$ が座標関数となり座標系を定める領域と $r,\theta$ の範囲を求めよ。

答え

(1) 変換のヤコビアンは $$ \begin{align} \det\left(\frac{\partial (x,y)}{\partial(r,\theta)}\right)=r \end{align} $$ であるから、$r=0$ の近傍では微分同相でなくなる(座標曲線は $r=0$ において、$r$-曲線が一点となっているので、全ての $\theta$ に対して、原点が対応し、座標の一価性がなくなる)から、$r>0$ である。 また、$\theta$ に関して一価性を保証するために、$\delta<\theta<\delta+2\pi$ としなければならない($\delta$ は任意の実数)。 また定義される領域は開近傍 $U=\{(x,y)\in\mathbb{R}^2|x=r\cos\theta,y=r\sin\theta,\ r>0,\ \delta<\theta<\delta+2\pi \}$ である。

微分構造

座標関数

座標基底

多様体上の解析関数

複素多様体の定義

affine多様体 双対affine座標

陰関数の定理

ベクトル場

コベクトル場

テンソル場

多様体間の写像

微分形式

部分多様体

分布と積分多様体

積分

リー群