コゼロ集合
定義
位相空間 $X$ の部分集合 $A$ がコゼロ集合(コゼロしゅうごう)であるとは、ある連続関数 $f\colon A \to [0,1]$ が存在して、$A = f^{-1}((0,1])$ が成り立つことをいう。
性質
$X$ を位相空間、$A$, $B$ を $X$ の部分集合とする。
- $A$ が $X$ のコゼロ集合ならば、$A$ は $X$ の開集合である。
これは連続性の定義より明らか。
- $A$, $B$ が $X$ のコゼロ集合ならば、$A \cup B$ は $X$ のコゼロ集合となる。
$f, g \colon X \to [0,1]$ を、$A = f^{-1}((0,1])$, $B = g^{-1}((0,1])$ をみたすような連続関数とする。このとき、$h = \mathrm{max}(f,g)$ とおくと、$h$ は連続関数となり、さらに $h^{-1}((0,1]) = A \cup B$ となる。
- $A$, $B$ が $X$ のコゼロ集合ならば、$A \cap B$ は $X$ のコゼロ集合となる。
$f, g \colon X \to [0,1]$ を、$A = f^{-1}((0,1])$, $B = g^{-1}((0,1])$ をみたすような連続関数とする。このとき、$h = \mathrm{min}(f,g)$ とおくと、$h$ は連続関数となり、さらに $h^{-1}((0,1]) = A \cap B$ となる。
- $A$ がコゼロ集合ならば、F_σ集合 となる。
$f \colon X \to [0,1]$ を、$A = f^{-1}((0,1])$ をみたすような連続関数とする。このとき、$F_n = f^{-1}([\frac{1}{n}, 1])$ とすると、$A = \bigcup F_n$ が成り立つ。
- $A$, $B$ がコゼロ集合であって $X = A \cup B$ をみたすならば、$h\colon X \to [0,1]$ であって $h^{-1}((0,1]) = A$ かつ $h^{-1}([0,1)) = B$ をみたす連続関数がとれる。
$f, g \colon X \to [0,1]$ を、$A = f^{-1}((0,1])$, $B = g^{-1}((0,1])$ をみたすような連続関数とする。このとき、$h = \frac{f}{f + g}$ とおくと、$h$ は連続関数となり、これは条件をみたす。